みんなで作る 1000㎡の大型秘密基地 in 飯舘村
福島県飯舘村には震災前、一軒のホームセンター「コメリ」がありました。
農家のコンビニとして地域の人々に愛されていたこのお店は、避難指示により営業停止に。その後10年間廃屋となっていました。
原発事故後、飯舘村に集まった若い移住者・地域住民・研究者・アーティスト・ボランティアを中心に、この1000平米の廃屋を「環境づくりの自由研究秘密基地」に変えていくプロジェクトを行ってきました。
プロジェクトの進捗はまだ道半ば。これからさらに歩みを進めます。
- 応援総額
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- 目標金額 円
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- サポーター
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- 残り日数
- 日
- はじめに・ご挨拶
- このフロジェクトで実現したいこと
- このフロジェクトの拠点
- これまでの活動
- 最後に
はじめに・ご挨拶
はじめまして。図図倉庫運営チームの松本奈々と矢野淳です。
私たちは飯舘村の避難指示解除後、それぞれ飯舘村に移り住み、2021年に合同会社MARBLiNGという会社を立ち上げました。
原発被災地としての飯舘村を、世界最先端の環境課題に取り組む村に。そんな思いの元、飯舘村で活動しています。
このプロジェクトで実現したいこと
阿武隈山系の厳しくも美しい風景の中、里山の自然と共に暮らしをつないできた飯舘村。
しかし、原発事故と避難によって、培われてきた人と人、自然と人との関係性は崩れてしまいました。
そこに集まってきたのは、生まれ育った故郷の土地を再生し、引き継がれた知恵を生かしながらも新しく自然との関係を結び直そうとする村の人々。
そして、彼らと課題を共有し、協働しながら、自らの調査・実験を行い、これからの地域環境づくりを模索する、新たに訪れた人たちでした。
わたしたちは、それらを繋ぐ新たな「秘密基地」を創りたいと考えています。
具体的には、
①村民や研究者やアーティストが集う実験・研究の場
②企業や様々な活動団体が集うシェアオフィス・シェアアトリエ
③村で活動する人と外から訪れる人が行き交うイベントスペース・トレーラーカフェ
④ホームセンターの役割を引継ぐ、人と環境の循環を生み出すショップ
⑤村外から訪れる人が飯舘村の環境を知り、環境づくりに参加できるツアー拠点
このプロジェクトの拠点
2020年年末、震災と原発事故の避難指示で営業停止になったホームセンターコメリ建屋の取り壊しが計画されていました。
同時にコメリさんから「もし村の誰かが使ってくれるなら取り壊さずに残したい」というお話があり、村内で活動している若者たちの中で「今、村にある空間・素材・人たちでこれからの村づくりを発信するハブ空間ができないか」と考えました。
商品棚は片付けられ、10年放置された1000平米の空間。
村のど真ん中にある県道沿いの「復興できていない」象徴のような廃墟は、逆にどんな空間にでもなれる可能性を秘めていました。
2021年の春に株式会社コメリさんと飯舘村、そして私たち合同会社MARBLiNGで地域貢献の三者協定を結び、プロジェクトが始まります。
これまでの活動
0から始めた秘密基地
初めて訪れた1000平米の建屋は、汚れて剥がれかけたタイル、ところどころ崩れた壁のボード、10年分の動物たちのふん、など10年放置された時間の流れを感じるものの、その躯体は度重なる地震の中でもしっかりと広い空間を支えていました。
私たちはまず、近隣や福島県で活動する若者たちに声をかけ、タイル剥がしと大掃除を始めました
このプロジェクトを始める時、一つ決めていたこと。それは「場をつくる過程」を共有することでした。
ある日突然出来上がった完成された場所、ではなく、今村にある素材・手法・人々で育て続ける場所であってほしい。
そんな思いの元、掃除した何もない空間で最初のイベント「Reboot」を開催し、100人を超える村内外の人々が集まりました。
床にチョークで思い思いに言葉や絵を残したり、村内から集めた廃材に好きな色を塗ったり、どんな場所にしたいか訪れた人同士で話し合いが始まったり、突発的に音楽をセッションし始めたり。
そこにはもうすでに「つくる場」ができていたように思います。
図図倉庫は「そこにあったものたち」が組み合わさって出来ています。
仮設住宅で使われていたログ材の壁、かつてコメリで売っていた農業資材の骨組み、農家さんが余らせていた籾殻で作った断熱材、廃校になった小学校で捨てられそうになっていた家具たち、村の方々に声をかけ集めてきた様々な材料、偶然のご縁と出会いで受け継いだ機材や道具。
本当に秘密基地を作るように、集まってきたそれらを一つ一つを組み合わせ、廃墟の中に少しずつ場が生まれていきました。
企画発足から2年、図図倉庫にはイベントスペース・シェアオフェス・シェアアトリエ・キッチントレーラー・実験ラボが出来あがりました。
資金の使い道
この秘密基地づくりはまだまだ途中段階です。
今回のプロジェクトでは、以下の4つの場作りに取り組みます。
・秘密基地づくりその5
図図倉庫の新たなアイコン 飯舘村の植物標本大扉を作ろう! (2023 年 11 月)
7,000,000 円(内 4,000,000 円にクラファン資金を当てさせていただきます)
元ホームセンターの資材館の高さ 4m/4 枚組の大扉は現在劣化により、1枚しか開かなくなってしまっていました。
この大扉を取り外し、新たな大扉をみんなで作ります。
飯舘村の草花や木々を持ち寄り、思い思いのレジン標本窓冊子を制作。それらを組み合わせて図図倉庫の新たなアイコンとなる大きな扉を設置します。
・秘密基地づくりその6
図図倉庫の中心にみんなが集う暖炉を作ろう! (2023 年 11 月)
1,500,000 円(内 1,000,000 円にクラファン資金を当てさせていただきます)図図倉庫の中央にある空間に暖炉を設置します。
この空間は小さなステージになっており、夏場はイベントスペースとして解放
され、冬場は移動式の壁面什器が集まり暖炉を囲う小さな空間が出来上がります。
・秘密基地づくりその7
図図倉庫の 25m の壁に大きな開口をあけよう! (2023 年 11 月)
1,000,000 円(内 1,000,000 円にクラファン資金を当てさせていただきます)図図倉庫の北側壁面に、外へと繋がる細長い開口を設ける計画です。
倉庫内に光と飯舘村の風景を取り込みます。
・秘密基地づくりその8
飯舘村の環境世界を表現するサイエンスXアートの展示什器を作ろう! (2024 年 4 月)
4,000,000 円(内 2,500,000 円にクラファン資金を当てさせていただきます)
図図倉庫に研究者とアーティストが協働する、展示什器を制作します。
カーテンやテーブル、椅子などの倉庫内の什器づくりを、飯舘村に関わる研究者・アーティストが協働制作します。ただの家具ではなく倉庫の中で飯舘村の環境を表現し、発信していくアイテムになっていきます。
最後に
飯舘村の秘密基地は、今後の地域環境づくりを創造していく場所であり、避難指示と放射能/放射線の課題から派生した環境課題・社会課題に対する多分野のアプローチを世界に向けて発信する場でもあります。
今飯舘村にあつまる人々の関わり・経験、環境研究のデータは、今後の飯舘村の地域づくり、そして世界にとって様々な環境課題を考え未来に向かうための糸口になるはずです。
図図倉庫の「図」という字には「工夫して努力する」「目的のために工夫する」といった意味合いがあります。
様々な人の視点を持ち寄り、次の世代に自信をもって受け渡せるような、世界に誇れるような「ずっと」つづく地域環境づくりをめざしたい。
そんな思いを、「ずっと」という読み方にも込めました。
ある時には、地域のみんながワイワイと集い暮らしや人生の知恵を交換し、ある時には、専門家と共に大人も子供も対等にエネルギーづくりについて意見を交わし、またある時には、土地のひとと旅のひとが出逢い環境世界に触れる新たなアート作品が生み出され・・・。
そんな風景が広がり、これからも繋がっていくこの場所。
考えるという遊びに夢中になれるような「秘密基地」の存在が、きっと、地域やこれからの未来を、もっと面白くしていくはずだと、私たちは実感しています。
もちろん、地域課題も環境課題も、決して、一筋縄に解決できることではありません。
だからこそ、その課題に向き合い、考え続けることが必要なのではないでしょうか。
社会に、世界に、地球に生きる一員として、共に未来を担う仲間として。
まずは一緒に、この「秘密基地」を、耕してゆきませんか。
【fromhere FUKUSHIMAクラファンサイトについて】
いくつかの試練によって一度はゼロになった福島県浜通り地域にはいま、開拓意欲と情熱をもった意志ある人たちが集まる場所になりつつあります。
当サイトは「from here」、つまり「いまいる、ここから」、福島県の“未来”を志向する人たちがともに立ち上げた、福島浜通りの新たなポータルサイトです。
福島県浜通り地域では、日々多くのチャレンジが生まれています。
そういった、これから事業を興したいという意欲を「fromhere FUKUSHIMA」ではクラウドファンディングを通じて応援します。
出品にかかる手数料は、福島県浜通り地域に還元し、地域内での経済循環を目指す仕組みとなっています。
飯舘村ならびに福島浜通りが、沢山の人々の未来に向けたチャレンジの場になっていけるように、
そして図図倉庫がその一つの起点として発展していけるよう、ぜひ皆様のご支援・ご協力、お待ちしております。
物品や電子チケットなどのリターン商品のお届けは、クラファン募集期間終了後の12月以降になります。